第2回人権確立部会
「人権に関する市民意識調査」案に 指摘相次ぐ

8月18日午後6時半より、部落解放センター(Kyoto Blc)で、第2回人権確立部会が開催されました。京都市人権文化推進計画に基づき、
2027年に実施が予定されている「人権に関する市民意識調査」について意見交換を行うものです。京都市からは、文化市民局共生社会推進室の人権文化推進・中野課長と啓発事業調整・松下課長が出席し、京都市協からは10名が参加しました。
はじめに市側から、調査の概要や目的、方法およびスケジュールについて説明がありました。参加者からは具体的な指摘や質問が相次ぎ、実施までには重ねての検討が必要であることを示すものとなりました。
具体的に声が上がったのは、大まかに以下の6点についてです。
1、趣旨について
・この調査を具体的にどう役立てるのかが説明されていない。「今後の人権施策に役立てるために行うもので」という文章だけでは、何に結びつくのかがわからない。「やさしさあふれる人権文化の息づくまち・京都」というスローガンは抽象的で何を目指すのか曖昧である。
・人権に関する意識調査という以上は、そもそも実施する側が人権をどう捉えているかということが重要であり、一定のステートメントが示されるべきではないか。
2、部落という言葉の抹消について
・法律は「部落差別解消推進法」なのに、設問では「同和地区」の語が使用されている。それではピンと来ない人もいるはずなので、部落差別として訊ねた方がよいのではないか。
・部落解放運動の文脈では、「同和」は必ずカギカッコ付きの扱いである。「同和」は行政が定めた用語であり、運動の中では同和問題、同和差別などという言い方はしていない。
3、アクセシビリティーについて
調査対象者には外国籍の人も含まれるのに、出来事や制度の説明に元号が使われていると理解が難しい。必ず西暦も併記するか、西暦表記のみにしてもよいだろう。
4、「新たな問題」について
・「現代社会における新たな問題について」というくくりでインターネットや障害者差別、性的マイノリティ差別についての設問があるが、新たに発生した問題ではない。社会の側が「新たに突きつけられている」ということではないのか。
・気候変動に伴って災害が増える中、避難所における性暴力や性的マイノリティの処遇は現代的な課題と言えるのではないか。
5、差別するという視点の欠如について
・設問が全般的に第三者的な眼差しであり、差別された経験を問う設問はあるが、差別した経験については訊いていない。どこに、どのような理由で差別意識が発生するのかという点を明らかにするのも重要ではないか。
・差別や偏見に基づく言動、人権侵害、ヘイトスピーチの経験に関する設問や選択肢があってもよいかもしれない。
6、意見交換のタイミングについて
・ほとんど設問案が固まった段階で話し合っても、ここでの意見がどの程度反映されるのか不安がある。
・調査結果を受けて、その後の方針についてはパブリックコメントの機会があるのか。これまで話し合いを続けてきているので、最後まで関われるようにしてほしい。
上記以外にも、教育との連携を見越して教員への意識調査を再び実施することの重要性や、人権の根本に関わる戦争や死刑制度を問うことへの提案、行政が「困難」という言葉を用いることで差別が潜在化する危険性についてなど、非常に活発な議論が行われました。
人権文化推進計画の開始からは12年経っていますが、人権啓発の推進や具体的な差別解消に資するものになっているという実感は薄く、調査をやりっぱなしにするのではなく実際の動きに結びつけてほしいという共通認識があります。一方で、様々なハラスメントや人権侵害を許してはならないという社会的合意は確実に形成されてきており、そうした市民社会の意識を行政がいかに汲み取り、施策に反映できるかが強く求められていると言えるでしょう。来年度の意識調査実施まで、引き続き議論を深めていくことが重要です。
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